里親さんからのお手紙@空ちゃん

空ちゃん@ヨウム

2019年10月にお迎え

空ちゃんが我が家に来た当初、空ちゃんに「ケージに戻ってもらいたい」「手に乗ってもらいたい」と思っても、なかなかすんなりとは応えてくれませんでした。
ケージに戻ってもらいたいタイミングですんなり戻ってもらえないとなると、放鳥するのを敬遠するようになり、そうなると余計に人間との関係性が築けず、空ちゃんとの距離が一向に縮まらない…という悪循環に陥ると思ったので、最初のうちは仕事に遅刻する覚悟で空ちゃんを放鳥していました(笑)。
でもそのうち、「ご飯を食べるためにならケージに戻ってくれる(素直に手にも乗ってくれる)」ということがわかり、ご飯の時間をずらすことで、ある程度空ちゃんの行動をコントロールできるようになりました。
それからは、例えばもうちょっとしたら出かける時間だけど…というタイミングでも、「ちょっとだけ遊ぼうか」と空ちゃんを放鳥したりすることができるようになり、空ちゃんと触れ合う機会がどんどん増えていきました。

 

そういった中で、私たちもだんだん、「あ、空ちゃんは今はこれをやりたい気分じゃないんだな」ということが、空ちゃんの表情や態度からわかるようになってきました。
ご飯で釣るのではなく、そのときの空ちゃんの態度なんかを見て、「あ、今なら来てくれるかも」というタイミングで「手に乗って?」と手を出し、素直に乗ってもらえる…といった成功体験を日々積み重ねてきた気がします。
理解できるようになったのは私たちだけではなく、空ちゃんの方も同じだったと思います。
最初のうちは、「この人たちはオレにどうしてほしいって言ってるんだろう?」と、空ちゃんも理解できなかったんだと思います。でも毎日触れ合って、「あ、こういうときは手に乗ってほしいのね」「ここには飛び移ってほしくないのね」ということを空ちゃんが理解できるようになったんだと思います。お互いに理解が深まった今では、ほぼ100%手を出せば素直に乗ってくれます。膝の上に空ちゃんを乗せてカキカキといったこともやらせてくれます。
最近では甘噛みのトレーニングもかねて、嘴を触ることにもチャレンジしていて、抵抗することなく触らせてくれます。我が家に来たばかりのときだったら絶対できなかったことだと思います。
それは空ちゃんにとっても私にとっても「怖い」という気持ちがあったからだと思います。
実際私はこれまでに空ちゃんに噛まれて2度ほど流血しています(苦笑)。
でもそういう経験があって、お互いに「これ以上はダメ」ということがわかってきてるのかなって思います。
すべてが順調というわけではなく、良くも悪くもいろんな経験を一緒にしてきた1ヶ月でした。
でもそういったことを通して、空ちゃんとの信頼関係が築けてきているんだろうなって思います。
そう考えると、なんだか感慨深いというか、この関係性に心強さすら感じます。

 

話は少し変わって、空ちゃんと言えば「おしゃべり」ですが、こちらも絶好調ですよ。

家に来た当初は、基本的に部屋に人がいないときに喋る(人の目があるとなかなか喋らない)という感じでした。しかし今では人がいても喋ってくれます。

私の腕にとまったまま喋るということもしますし、先日は外で日向ぼっこしているときに通りすがりの近所の方に「こんにちは」って挨拶していました(笑)。

ホームステイが始まった頃の緊張感は解けて、

TSUBASAでいろんな人に囲まれて喋っていたときの普段の空ちゃんに戻れているのかなって思います。

新しい言葉も覚えていると思います。たまに犬の名前や先住鳥たちの名前を言うこともあります。

最近は寒くなってきたこともあり、「寒いねー」って言ったりもします。

いまだに進化を続ける空ちゃんに家族一同びっくりすると同時に本当に感心しています。

朝が弱いうちの息子からは「うるさい」と言われるときもありますが(苦笑)、それも含めて空ちゃんの

お喋りで私は楽しい毎日を過ごさせてもらっています。

こんな感じでこの1ヶ月、私たち家族を楽しませてくれている空ちゃんですが、それは「私たちが毎日空ちゃんと一緒にいられるように努力して、空ちゃんをいい子にしたから」ではもちろんないです。
何よりも一番大きなことは、「我が家に来る前から空ちゃんが人に慣れていたから」ということだと
強く感じています。TSUBASAで毎日空ちゃんの面倒を見ていただいた職員さん・ボランティアの方々、TSUBASAに訪れて空ちゃんに触れ合って一緒に遊んでくれた多くの方々には本当に感謝です。
ここまで人を好きな空ちゃんに育ててくれてありがとうと言いたいです。
モデルライバル法のデモンストレーションに空ちゃんを選んでくれたアイリーン・ペパーバーグ博士にも感謝です。
博士との貴重な体験は、空ちゃんにとってとても大きいものとして確実に残っていると思います。
先日、空ちゃんのお出かけ用キャリーを発注しました。
12月中旬頃には届く予定です。
空ちゃんにはそのケージに慣れてもらって、いろいろとお出かけしたいと思っています。
もちろんどこかのタイミングでTSUBASAさんにも里帰りしようと思っています。
そのときには、パワーアップした空ちゃんに会っていただきたいです。
「え、TSUBASAにいた時と印象違う!」
こんなことできるようになったの?!」みなさんを驚かせることができるよう、私も空ちゃんも毎日を楽しんで頑張ります。

 

最後に。
改めて、空ちゃんに出会わせてくれたTSUBASAさんに感謝します。
本当にありがとうございました。
本格的に寒くなってきましたが、皆様、お体に気を付けて。
TSUBASAの鳥さんたちも暖かくして健康に。
これからも人と鳥さんの良い出会いがたくさんありますように。