愛知県主催「あいちトリエンナーレ2016」豊橋会場で開催されたイベントの緊急対応を行いました。
イベントの概要
●現代美術(国際展)ラウラ・リマ氏作
●作品のコンセプト
「4階建てのビル室内で小鳥を100羽放し飼い、来場者は鳥のための空間に入っていく体験」という作品です。
●開催期間
2016年8月11日〜10月23日
TSUBASAが緊急対応した理由
バードライフアドバイザー(以下BLA)の方から通報を受け、該当のブログ等を調べたところ、
・入場者に対し手や靴の消毒がされていなかった
・掃除がされておらず、便が各所に積もっている状態
・鳥たちの餌は粟のみ
・餌場の一つとして、和式便所にも餌が置かれていた
・体調が悪そうな鳥が複数見られる
・屋上の金網の隙間から、一部の鳥が外へ逃げている
…等のことが判明し、緊急に対応すべきと判断したからです。
まず、あいちトリエンナーレ事務局に事情を聞くため、コンタクトを試みました。
トリエンナーレ側からもすぐに連絡があり、緊急対応の要請がありました。
【会期中】
10/12
第1回現地訪問
松本
10/16
第2回現地訪問
松本
【会期終了後】
10/24
第3回現地訪問
松本、望月
10/25
第4回現地訪問
松本
10/27,28
第5回現地訪問
涌井
11/2
第6回現地訪問
松本、涌井
11/16
第7回現地訪問
松本、涌井
11/26
第8回現地訪問
松本
11/27
第9回現地訪問
松本、涌井、望月
12/1〜4
12/4
第10回現地訪問
望月
12/5
あいち
トリエンナーレ
事務局来村
12/17
あいち
トリエンナーレ
事務局来村
12/21〜25
12/25
あいち
トリエンナーレ
事務局来村
現場確認(10/12の改善指導通り実施されているか)及び会期終了後の対応協議。
放し飼い個体を捕獲、ケージへ入れる。
個体識別のため、脚にカラーリングを装着。
文鳥のヒナ10羽を発見(体重2〜5g)
ケージへ移動した鳥達の様子を確認。
ヒナ10羽を関東へ移動。
全羽の鳥達の健康診断を実施するため、豊橋市から名古屋市へ移動し、鳥専門の動物病院で健康診断を受ける
鳥達の管理状況を確認、あいちトリエンナーレ事務局本部訪問(名古屋市)、鳥専門の動物病院訪問(打ち合わせ)
鳥専門の動物病院から先生に現地に来て頂き、鳥達の再検査を行う
里親会の準備及びリハーサル
あいちトリエンナーレ里親会実施(ヒアリング&説明会)
文鳥:56羽
十姉妹:18羽
キンカチョウ:1羽
里親決定の鳥達の引き渡し
(文鳥43羽、十姉妹16羽、キンカチョウ1羽)
1ヶ月間のトライアル開始
里親決定の鳥達の引き渡し、飼育相談
あいちトリエンナーレで里親が決まらなかった鳥達をTSUBASAヘ移送
(文鳥13羽、十姉妹2羽)
里親決定の鳥達の引き渡し
(文鳥:成鳥9羽、ヒナ6羽、十姉妹2羽)
1ヶ月間のトライアル開始
最終結果
最後まで残った鳥(里親が決まらなかった鳥):文鳥(成鳥4羽、ヒナ4羽)
以上の8羽は愛知県からTSUBASAへの譲渡が決定しました。
成鳥の文鳥4羽はそのまま検疫室へ、ヒナ4羽は人が苦手にならないように、検疫ボランティア様にお世話を委託しました。
また、緊急対応は終わりましたが、今後このようなことが二度と起こらないように、愛知県と作者であるラウラ・リマ氏に意見書を提出しました。
最後に、今回の件でBLAの皆様やボランティア様に、大変お世話になりました。
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。